マネー=通貨に当たるものは、7種もある。「おや?」と思いませんか。預金が通貨だとは。でも、この頃は電気、ガス代など公共料金の支払いは、預貯金からの自動引き落しがふつう。お札や玉を出し入れしなくてもすむ。この点はそれでわかっていただけるかと思いますが、実は預貯金もまた通貨と見るべき根拠は、他にあるのです。その説明については、拙著『お金と人間のくらし』(1987年、岩崎書店)にゆずります。いまマネーサプライの代表的指標は、「CD」です。このCDとは、譲渡性預金。定期預金証書を売買できるようにしたものです。だからその証書に書かれている金額がおカネとして通用するようになりました。預金界における超大型新人と言うべき存在です。いろんなものがマネーになるのは、なぜでしょうか。人々の生産する物がそれぞれに変身願望を抱えこんでいるからです。それを交換に出して、他人の生産物を手に入れたいと変身願望をもつ。その願望を一身に集約する存在がおカネ。どんなものでもいい、こいつがおカネだと皆が認め合えばおカネになるのです。
第一勧銀のマニハニ子会社買収とほぼ時を同じくして、ジャパンマネーの威力を示す出来事が起こりました。ソニーが米国の映画会社コロンビア・ピクチャーズ・エンターテイメントを買収すると発表したのです。買収金額は34億ドル。それまでの日本企業による米国企業買収の最高額はブリヂストンによるファイアストーン・タイヤ・アンド・ラバーの26億5000万ドルでした。ソニーのコロンビア買収はこれを10億ドル近く上回るばかりか、映画事業という極めて文化的な色彩の濃い会社の買収であることから、米国内に大きな波紋を呼び起こしました。『ニューズウィーク』誌は「日本、ハリウッドへ」というタイトルで特集を組み、この買収を「アメリカの魂の一部を買うようなもの」という米国民の反応をリポートしました。米国人には極めて身近な存在であるハリウッドの映画会社が日本の企業に買収されたことが、よほどショックだったようです。
債権者は再生計画に従った弁済を受けるが、通常一定の割合の債権カットが行われ、残額について、その支払時期と支払金額が確定的に決定される。当初の計画通り利益が出ない場合であっても、債務者は再生計画の変更手続を取らなければ、計画通り弁済を行う必要がある。他方、再建に成功し、当初計画を大幅に上回る超過収益が発生したらどうか。こうした場合、繰り上げ償還がなされることはあっても、弁済総額を増加させるなど、債権者にアップサイドを取らせる処置は取られないのが一般的である。しかし、積極的にM&Aが導入され、早期に再建ができた場合、その収益をスポンサー会社がひとり占めしてしまうことにも問題があり、アップサイドの一部は債権者にも還元されるべきものといえる。債務者に超過収益が発生し、それを債権者に還元する方法としては、一定の割合で弁済額を増やすのが最も単純なやり方と言える。営業が譲渡された場合は、営業譲渡契約において、一定の場合に譲渡代金の追加支払いが発生するような条項を設けておけば、それを債権者に追加弁済することになる。再生計画においても、確定弁済に加えて、事業計画以上の収益が上がった場合、一定の計算式で一定割合を債権者に追加で弁済するといった計画の定め方も考えられる。営業譲渡の場合、何らかの形で譲受会社(新会社)に対する権利(優先株、社債等)をオプションとして債権者に付与する方法もあろう。